平成 維摩居士伝

 

七難八苦

 

戦国時代の尼子家家臣であった山中鹿之助が三日月に「願わくば、我に七難八苦を与えたまえ」と祈ったことで有名。
山中鹿之助はその理由を「自らの成長を苦難によって試したいのだ」と語ったとされる。

 

七難は観音経においては
大火の難、
大水の難、
羅刹難(風難)、
刀杖(とうじょう)難、
悪鬼難、
枷鎖(かさ)難、
怨賊難。
ただし、経典によって異なり、

 

 

 「七難」とは、正法を誹謗することによって起こる七種の難で、経典によってその内容に多少の差異があります。
薬師経・仁王経・法華経の七難を挙げますと、

 

 

【薬師経の七難】
 @人衆疾疫(にんじゅしつえき)難(伝染病が流行り、多くの人が死ぬ)
 A他国(たこく)侵逼(しんぴつ)難(外国から侵略され、脅かされる)
 B自(じ)界叛(かいほん)逆(ぎゃく)難(内部分裂や同士討ち)
 C星(せい)宿(しゅく)変(へん)怪(げ)難(天体の運行に異変が起こる)
 D日月薄(にちがつはく)蝕(しょく)難(日食や月食)
 E非時(ひじ)風(ふう)雨(う)難(季節はずれの暴風や強雨)
 F過時不雨(かじふう)難(雨期に雨が降らない天候不順)
【仁王経の七難】
 @日月失(にちがつしつ)度(ど)難
 A衆星変改(しゅせいへんかい)難
 B諸(しょ)火(か)梵(ぼん)焼(しょう)難(大火によって多くの物が消失される)
 C時(じ)節反(せつはん)逆(ぎゃく)難
 D大風数(たいふうすう)起(き)難
 E天(てん)地(ち)亢陽(こうよう)難
 F四(し)方賊来(ほうぞくらい)難

【法華経の七難】
 @火難
 A水難
 B羅刹(らせつ)難(悪鬼による難)
 C刀(とう)杖(じょう)難
 D鬼難
 E枷鎖(かさ)難(牢獄に囚われる難)
 F怨賊(おんぞく)難

 

だいたい、似たようなものですね。

 

 

 

三災七難(さんさいしちなん)という言い方もあります。

 

「三災」には、世界の破壊期に起こる大の三災と、
世界の存続期に起きて人々を滅ぼす小の三災があります。

 

『倶(く)舎論(しゃろん)』では、
大の三災に火災・風災・水災があり、
小の三災に穀貴(こっき)・兵(ひょう)革(かく)・疫(やく)病(びょう)があります。

 

穀貴とは、五穀(ごこく)の価(あたい)が異常に高騰(こうとう)する物価騰貴(とうき)のことであり、兵革は戦争、疫病は伝染病や流行病などをいいます。

 

最近の世界状況は、三災のようですね。

 

 

 

 

観音経の七難の解説は、

 

大火の難、

 

「もし、この観世音菩薩の名を称えれば、燃えさかる大火の真ん中に飛び込んで行っても、決して火はその人を焼くことはできないでしょう。それは、この菩薩の持つ自由自在な力のおかげなのです。 

 

 

 

大水の難、

 

 あるいは、洪水に押し流されていたり、大海を漂流していたりしても、この観世音菩薩の名を称えれば、ひとりでに浅い所に流れ着くことができるでしょう。

 

 

羅刹難(風難)、

 

 あるいは、たくさんの人々が、七宝として貴ばれている金、銀、瑠璃(るり)という青い宝石、シャコという美しい大きな貝、珊瑚(さんご)、琥珀(こはく)、真珠(しんじゅ)などの宝物を買って来るといって、広い海に乗り出して行ったとしましょう。その時、急にあたりが真っ暗になってひどい暴風が吹いて来て、船が押し流されてしまい、羅刹(らせつ)という人を食べる悪鬼の住んでいる島へ漂着したとします。そのような危機に際して、もし乗り組んでいる人々の中の一人でも、観世音菩薩の名を称えるならば、誰も羅刹に食べられずに済み、その危機から逃れることができましょう。
 こういうわけで、世の音をよく観ずると言う意味の名がつけられているのです。

 

 

 

刀杖(とうじょう)難、

 

 あるいは、ある人が他の人に刀で切られたり棒で打たれたりして怪我をされられそうになった場合に、観世音菩薩の名を称えるならば、相手の振り上げた刀でも棒でもバラバラに折れてしまい、怪我をしないで済みましょう。

 

 

 

悪鬼難、

 

 あるいは、世界中にいっぱいいる夜叉(やしゃ)と羅刹の悪鬼どもが大挙して、ある人を悩まそうとしてやって来ても、その人が観世音菩薩の名を称えるのを聞いたならば、夜叉も羅刹も邪悪な意志を持ってその人に向かうことはできなくなるでしょう。ましてや、実際に害を加えることなど、とうていできないのです。

 

 

 

枷鎖(かさ)難、

 

 あるいは、ある人が罪をおかし、または無実の罪によって、手かせ・首かせをはめられ、牢獄に鎖でつながれた状態となったとしても、その人が観世音菩薩の名を称えれば、身を拘束しているそれらの物はことごとくバラバラに壊れ、たちまち自由の身となることができましょう。

 

 

怨賊難

 

 あるいは、どこまで行っても凶悪な山賊どもが横行している国があるとしましょう。そして一人の大商人が他の商人を大勢連れて、りっぱな宝物を買い込んでよその土地から帰る途中で、そうでなくても山中の険しい路である上に、山賊に最も襲われやすい危険な場所にさしかかったとしましょう。その時その中の一人が一同に向かって、『皆さん、恐れることはありません。皆さんが一心になって、観世音菩薩の名を称えてご覧なさい。観世音菩薩は人の怖いものを無くしてくださる方ですから、お名前を称えさえしたら、山賊に襲われる心配など無くなります。」と言いますと、全員がその言葉に従って声を合わせて一心に『南無観世音菩薩』と称えたとしましょう。そうすれば、一同は必ず難を逃れることができるのであります。
 無尽意よ。観世音菩薩の力はこんなに想像できないくらい偉大なものなのです。」

 

 

ということで、ことみ観音さまを拝むと、
七難を逃れることができそうです。

 

 

 

 


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